土ひねり体験

土ひねり体験
 
粘土で作品を作るという単純な作業にも右目(陰)と左目(陽)の十字架が隠されています。
これらは、もちろん比喩として説明できることですが、比喩やたとえで話ができるということは、
共通した法則が有ると言うことです。
両目で見ようとすると見えてくる所が有るのです。


 土ひねり体験の時にその作り方の説明をします。
その説明はどうしてもハウツーの所(右目の部分)
どうやって作ればいいかの部分が中心になります。

人生でも物作りでも、何でも一緒で、出来上がるための要素は、
「思い」(陰)と「行い」(陽)によって成り立っています。
人は、どうしても結果主義になります。
粘土で作品を作ろうとする時、大切なことは、上手に作ろうと努力することも大切だが、
結果主義になってはいけないということ。

その人の心の生地のまま素直に作ることが大切なのですが、
人の評価を気にしすぎることがあるのです。
もちろん基本的な知識と技術は必要ですが、しかし、人の心の中にある
素晴らしいものを自然体で素直に表に出すだけで、
技術がともなわなくても素敵な作品が出来るのです。
どうしても出来上がりが心配になり、人の目や評価が気になるために、
楽しんで創れない場合が有りますが、それでは良いモノは作れません。

心の態度として最悪なケースは、出来上がりの結果を気にしすぎ、
他人の目や評価を気にしながら作っている場合です。
そのような心で作っていると、あまり面白いモノは出来ませんし
作っている本人も楽しくないはずです。

逆に、思ったように形にならなかったとしても、
一心不乱に楽しんで無心に努力して、なんとか作られた作品は、どこか魅力が有ります。
その人の本来の個性の生地がそのまま映し出され
何となく魅力あふれる作品になっています。
意外に初心者の方の作品には素敵なモノがたくさんあります。
このことは、子供の描く絵画の中でも発見される事が有るでしょう。
心の中に、結果ばかり入れて作られたモノは、
その人の自我の思いが伝わってくるのかもしれません。
ほめなければしかられるような雰囲気でも漂っているのかもしれません。

このことは、どんな仕事にも通じる事です。
生活を支えている仕事でしょうから、
どうしても、その成果、その結果が気にならないわけは無いのですが、
その結果だけを見て振り回されていると、ギスギスした仕事になってしまいます。
自分自身も楽しくないはずですし、
顧客にとっても心地よいモノは提供出来にくくなるでしょう。
それなりの成果を上げれたとしても、心が晴れ晴れとしない為に、
つい、憂さ晴らしをしたい気分に支配され、
悪循環の始まりかねないところにその得た収入を使う事にもなるかもしれません。
結果が出なければ、落ち込み、ウツ病のきっかけにもなります。

もちろん、結果は重要で、成果を無視してはいけませんが、
焦って急ぎすぎると不幸の原因を作る事になります。
結果を生み出す原因を辛抱強く生み出し続けなければならないのでしょう。
そのためには、シンプルに仕事を楽しむ事も必要です。

その魂の生地、個性にあった仕事が、他者を介し時間を経た後に
ぐるっと回って自分自身に返ってきた時に、明るい情景が見えるモノで有って欲しいとおもいます。
高い山に登り、途中は疲労感があり、
困難を乗り越えた後に頂上から眺める爽快感、
あの感じに似たものが仕事でも大切なのではないでしょうか。 
岡山県加賀郡吉備中央町北546
備前焼  玄明   
Tel. 0866-55-6968 Fax. 55-6969