犬の訓練所

犬の訓練を通して家族のあり方を考えられる施設に出来たらいいと思っています。

連絡先:富岡靖明    Tel  0866-55-5455(窯のすぐ近く)
                         犬の預かり業務もしています

現在の社会は「物の豊かさ」から「心の豊かさ」を求める時代に
なって来ていていると言われていますが、豊かな心で生きるという
ことはどういうことでしょうか。

この地方で語り継がれる伝説に桃太郎話があります。
桃太郎のお供につれていったという、猿、キジ、犬がいますが、
猿は知恵、キジは勇気、犬は心という話を耳にしたことがあり、
人間に一番身近な犬の心について私が感じ、経験したことを
申し上げてみることにします。

私と犬の関わりは幼年期に始まり、父は私に一頭の子犬を
与えてくれました。以後私にとって犬は切り離せない存在になり、
そして飼うだけでなく人のために役立つ犬をと思い、訓練し、
警察嘱託犬として出動要請に応じております。

私が犬の訓練の上でもっとも大切だと思うことは、「根気」「辛抱」「愛情」です。
訓練する者は必ず犬にその目的を知らせるための努力を惜しまない
こと、犬が教えられていることが分からずに困っているとき、犬の
心の悲しみを早く知って、全く異なる簡単な方法で知らせてやるのも
訓練する技術の一つであり、教える者と教えられる犬とが一心同体と
なって継続的に努力すれば、必ず進歩も早く、犬も訓練することが楽しく
なってなって、指導する者の思った通りの行動が出来るようになります。
犬の心の内を十分に知り尽くし、その行動に対して瞬間的に、態度、声、
視符(手信号)を明確にし、犬に教えようとしていることが分かるよう
意識付けすることが必要であり、叱ることと誉めることのタイミングを
適切に行うことが基本であり、もっとも大切なことであります。

例えば、命令どうりに人に従ったときは誉めるだけで十分です。
命令に従ったときの報酬は指導者の喜びと愛情を言葉とふれあいで
犬に伝えることです。犬にとって何よりうれしいのは飼い主の愛情なのです。
犬の心をつかむことが進歩と向上に結びつくものと思います。

以上、私は犬の訓練を通し感じた事について述べましたが、犬ですら
飼い主から愛され可愛がられているということを言葉と接し方で感じ
取ったとき、どんな厳しい訓練にも耐え、むしろ喜んで指示通りの行動を
するものです。まして、感性や感情の動物といわれる人間は、親や友達
との対人関係の中で、相手に好かれ、愛されていると信じられることに
よって、その人の言葉やしつけを守り、その積み重ねによって道徳的な
人格が作り出されるものです。

愛とムチによる犬の訓練以上に、子供のしつけは、豊かな心と、愛情が
必要です。間違った行為をした時に強く叱ったり教えるだけでなく、
誉めるべき時には抱いて、頬ずりをして「よくできた」「やった」と誉めてやる
ことが大切と、つくづく、犬の訓練を通して知らされている今日この頃です。

                                      富岡靖明