私はスーパーの中のある店で働いています。 そのスーパーある声の大きな元気なおじいちゃんのお話です。

そのおじいちゃんは毎朝開店15分前から、従業員の入り口付近に待機しています。入っていく従業員に「おはよ〜〜ございま〜す〜〜!」と大きな声でご挨拶。おじいちゃんなのに体つきがいいから警備員より元気がいいの。眠たいな〜と思いながら歩いていてもこの挨拶を聞くといっぺんに目が覚めちゃいます。

あだ名は「おはようじっちゃん」

じっちゃんは開店と同時にさっそく入店・・・一軒づつ回ってはまたまた店員一人一人に「おはよおございまあす!」が始まります。

いい加減挨拶したくない日もあるのよね。そういう時は、仕事するフリして店の隅っこに隠れているんだけど。。。必ず見つけられ「おはよおございまあす!」をかまされます。
「(裏の入り口で)さっき挨拶したや〜ん」と突っ込みたくなるんだけど、お客様ですからそんな事口が裂けても言えません。

一人一人に挨拶が終わると、すっと出て行きにくいのか、次は店内の点検を始め出します。
最近は貼ってあるポスターをチェックするのがお気に入りのようで一枚ずつ指を刺しては「オッケー」「オッケー」(何がオッケーなんだかわかりません・・・)新しいのが貼ってあるとその前にピタッと止まって「おーーーーーーーーーーっ」・・・・(何に感嘆してるのかわかりません・・・)
その不思議な光景に私たちは仕事の手も止まってしまいます。

こないだは挨拶の後、私に近づいてきて「毎日衣装を変えてはるんやな〜!ご苦労さんやな〜!」って言われました。・・・「衣装」って私は踊り子か。。。ただの店員じゃ〜!と突っ込みたくなるのをぐっと抑えて、試しに次の日もわざとに同じ服着ていったのです。そしたらちゃんと覚えてて「お〜昨日と同じ衣装やな〜! ご苦労さんやな〜!」て言われました。

ボケてないんだ。ちゃんと見てるんだ。。。。ちょっと感心してしまいました。

「おはようじっちゃん」一軒一軒まわった後はさすがにお疲れでエスカレーターの横にある長椅子にドカリと座り それでもエスカレーターから登ってこられるお客さんに「おはよおございまあす!」と元気よく挨拶するもんだから 知らない人はたまりません。「ギクッ! だ、だ、だれ???」
皆エスカレーターを降りる足元がふらふらです。

そうやって「おはようじっちゃん」はまわりの人たちを驚かせている事に気を留めず、肩に掛けているデカカバンから おにぎりとバナナとお茶をおもむろに取出して早めの昼食をそこでとりながら・・・いつのまにか姿が見えなくなりようやく静けさが帰ってきます。



そんなある日、仕事の休みの日の夕方に近所の違うスーパーに出かけた時 いきなり後ろから「おはよおございまあす!」の声・・!!


むむむむ! 夕方は ここにいるんだ〜〜〜〜〜ぁ 


てか夕方でも「おはよおございまあす!」なんだ〜〜〜〜ぁ!    ・・・最強「おはようじっちゃん」


著:みこねー




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