寝言。
それは深遠なる闇。まさに21世紀の先端科学でも解明できない(多分)心の揺らぎなのである。


以前、後輩から聞いた話。

その後輩が友人達数人と集まってゲームで遊んでいた。夜も更け、寝てしまう者もいる。
遊んでいたゲームと言うのがセガ社のメガドライブというゲーム機で動く「修羅の門」という、月刊少年マガジンに連載されていた格闘マンガをゲーム化したものであった。

ゲーム中のシーンも進み、作中でも強敵である「片山右京」なる人物との対戦を迎えたのだが、これがまた非常に強い。
プレイヤーを変えて何度も戦うのだがなかなか勝てないのだ。

そうしていると、後ろで転寝をしていたはずの一人が「片山右京つえぇなぁ」と言う。
後輩はてっきり彼が起きたものだと思い、後ろを振り向かず「つえぇなぁ」と返した。

そこで、驚愕の一言を彼らは聞くことになる。

「背骨をレーザーで溶かさないと勝てんぞ」

「は!?」
驚きを隠せない一同。おかしい、ヤツは一体何を言っているんだ!?

そうすると彼は

「もう分からんならええ!」


と言って、それきりになったらしい…。


どうやら半覚醒状態で友人達の話を聞き、いろんな情報とごちゃ混ぜになった結果が寝言と現実の新たなる融合だったようだというのが大方の見方である。

それにしてもだ。背骨をレーザーで溶かしたら、いかな生物でも生きてはいまい…。



著:戦車




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