眩しい光を放つ太陽

 一面に広がる緑の田んぼ

 フナやザリガニがたくさんいる小川

 その小川に沿って遠くまで続いている舗装されていない小道
 
 小道のはるか向こうには木が数本立っている

 いま振り返れば、それはただ近所の一角に過ぎなかった


 でも


 幼いころの自分にほ、それが「世界の全て」だった

 その「小さな世界」で四季の移り変わりを感じ

 世界の無限の広がりを肌で感じていた


 小さくて、とても大きな幼い自分の世界、、、、




 背が伸びて

 小学校に入学し

 自分の行動範囲がどんどん広がるにつれて


 「小さな世界」の思い出は記憶の片隅に消えていった





 僕は大人になり

 頭の毛に白いものが目立つようになって

 自分がかつて過ごしていた「小さな世界」のこと急に思い出した




 帰郷して

 その場所に行くと



 市の区画整理で「小さな世界」は消えていた



 ちゃんと舗装された道路ができていて

 田んぼは消え、その跡には民家がたくさんできていた



 ただ

 魚がいなくなった小川だけ寂しく流れていた





著:Asobin




戻る