友人一同とスキーに行った帰りの話。

車内の話題はあちらこちらにうつり、そのうち老人と旅行というテーマになった。

昨今、健康に気を使う人が増えているが、そういうご時世なのに血管や血圧に不安のある老人たちを温泉施設に連れ込み、熱い風呂に早い時間から入れてしまい、酒を飲ませ、またその上に熱い風呂に入れてしまうなどと言うことが平気で行われているということであるらしい。
そんな仕打ちに、体の弱った老人の中には死に至るケースすらあるという、まったくけしからん話である。


そんな話題を展開しているとき。

寝ていたはずの友人の一人がこう言った。


「そりゃ〜思う壺じゃっ!」



後で詳しく訊くと、うつらうつらした状態で話を聞いていたそうだ。
で、「それは自業自得だ」と本当は言いたかったらしい。


いざと言うとき、人格と言うものはあらわれるものである。
読者のかたもユメユメ気をつけなされよ〜。


著:戦車




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