キリンビールから発売されているZEROというアルコール飲料がある。
いわゆる発泡酒である。

税制の見直しにより本物のまっとうなビールにさらに税が課せられ、それに対応するために生まれたのがこの発泡酒というジャンルだ。
発売当初は随分アレな味わいだったものが市場でさらに鍛えられ、磨かれてその欠点を克服しつつある昨今である。

で。
このZEROである。
カロリーオフ、糖質ゼロをうたったこの発泡酒は100mlあたり19kcalという脅威の低カロリーを実現している。
これだけ飲み物としてのダイエットを行って、肝心の味はいかがだろうかと訝るむきもいるだろう。当然である。

結論から先に言おう。
これはビールでもなければ発泡酒でもない、まったく違う味わいである。
しかしこれをビールの代替品だとか思って飲むならこれほど酷いコピーもないだろうという印象を受けるはずだ。

つまり、従来のビールや発泡酒という枠から味わうなら、まずいのである。
まずアルコールが3%とというところからも察することが出来るが、そういうパンチはない。コクもない。あるのはキレくらいだ。


だがここで発想の転換をしてみる。
こいつはアルコール飲料だ。ビールの代替品でもなければ、まずい発泡酒でもない。新しいジャンルのローカロリードリンクである、と。
そう、これは発泡水アルコールバージョンと考えるのだ。同じキリンビバレッジにはヌューダという発泡水があるではないか。

ちゃんと冷やしてグラスに注いで飲めば、たいがいの食事にはあう。
遅い時間にちょっと飲みたいって時にも、割とカロリーを気にせず飲めるのもありがたいじゃないか。


ビールではない。ほのかなアルコールと苦味の効いたさっぱりしたソーダ飲料。
それがZEROなのだ。

先入観を捨てて、あなたもこの夏トライしてみては?



著:戦車




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