私のおうちは五階建ての団地。最上階に部屋があります。

五階建てまでの建物にはエレベーターを設置する義務がないらしくこの団地にもエレベーターはありません。

仕事を終えて帰る時間はどこのおうちも夕飯の支度時間。
いつも階段を上がる度においしそうな匂いがどこからとなく匂ってきます。

何年か前にバングラデシュの家族が住んでいた時には毎夕カレーの匂い・・・
と言えばおなかもグゥーと鳴りそうですが、日本のカレーとは程遠く、色々なスパイスの異様な匂いがして階段を空きっ腹で上る時などはその匂いに酔ってしまうこともしばしばで、食文化の違いを思い知らされた時もありました。

まあそれはさておいて本題に入ります。
その日も仕事を終え、空きっ腹で階段を上がっていくと途中からいつになくとても香ばしくて良い匂いがするではありませんか・・・
四階からかな?と思いながら通り過ぎるとその上でもっと香ばしい匂いがしてきます。
ん? うち?  だってうちの隣は今、空屋だしねぇ・・・・

ドアの鍵を開けるために近づくと強烈に香ばしい香りがする。
ん? 旦那様が早く帰ってきて何か焼いてる? ? ? 

「?」が頭の上にたくさんついた後「!」に変わりました。。
カチャッ! 開けた瞬間、白い煙と焦げた匂い!

あちゃ〜〜! 台所にすっ飛ぶ私。
無残にお鍋が真っ黒くろ。 すぐに火をとめたまでは言うまでもありません。

その頃お鍋で御飯を炊くことがマイブームになっていて火にかけていたを消すの忘れて仕事に行っちゃっていたんですね。
(「ですね。」じゃないでしょ。。。全く〜 )

しかし、一体何時間火にかかっていた? 10時から6時までの仕事だから行き帰りの時間もあわせて9時間・・・・

ぞぞぞ〜〜〜っ

「はじめちょろちょろ なかぱっぱ じゅうじゅうふいたら火を引いて 赤子泣いてもふたとるな」
の「火をひいて」の状態だったからっていうのもあるけれど よくぞ耐えてくれたよ、お鍋さん〜〜〜〜(超感謝

いや実はそのお鍋、ものすごく高かったんだけど質がいいからと勧められて購入したものだったの。
他のお鍋だったら、おうち焼けてた。今こうやってのほほんと平和に暮らせてなかった。

磨いたら綺麗になって今だに使っているそのお鍋。やっぱ高いものっていいんだよね。



著:みこねー




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