前回までのあらすじ

…テーマを有名店と絞り早朝に地元を出発した我々だが、合流するはずの友人と出会えずいきなりの挫折を味わう。
そしてその小さな躓きは序奏に過ぎなかった。第一目標と定めていた有名店「山越うどん」は既に長蛇の列が発生していたのだ。ジーザス。
だが我々はその挫折を乗り越え、同町内にある「松岡」に無事到着。宮武グループと言われるその店は期待を裏切らない出来栄えのうどんであった。



松岡でとりあえずの四国上陸後初うどんを食した我々は、いきあたりばったりの旅を続ける。
今回のテーマである「有名店めぐり」にふさわしいうどん店をチョイスするとなると、件数はある程度絞られてくるものだ。

近隣にあって、なおかつ有名。松岡の師匠筋にあたるらしい「宮武」を目指すことになった。
トヨタプリウスのタッチパネル画面を素早く操作してナビゲーション開始。目的地は仲多度郡琴平町だ。


…香川県の主要幹線道路はそこそこ整備されていて、普通に走行する分には全く問題は無い。
だが、一歩抜け道を求めて幹線道路を外れるととんでもない道になる。細いのだ。対向できないくらい細い道もあるのだが、地元のドライバーたちは意に介さずどんどん走ってくる。
それに(おっとここは細いから抜け道なのだろうな)と思って走行しているとその脇にそれなりな店なんかが出現して不思議な光景に出会ったりする。
商業地域と住宅地域と農業地がめったまぜになってて、おまけに道路整備がそういう事情もあってかあまりよろしくないという状態のようなのだ。
ナビなしで地図片手に…という遊び方をやっていた以前の我々に乾杯である。カーナビってのはほんとに凄いものだなぁと感心するのだ。


などと言ってるうちに宮武の付近にやってきた。
ゆっくりクルマを走らせて店の入り口を探す我々の目に、愕然とする立て看板が飛び込んできてしまった…。

「本日休業」

いくらなんでもこれはないだろう…。
山越うどんから2連敗である。あぁ、我々は天に見放されたのだろうか。うちは真言宗なのに弘法大師・空海は味方してくれないのか。神も仏もあったものじゃない(おおげさ)。
あまりの落胆に言葉も出ない我々は近くのセルフうどん店の駐車場で次の作戦を練ろうとしたが、それはいくらなんでもヒドイという事で少し移動してコンビニに立ち寄る。


さすがにボディにじわじわ効くダメージを受けはしたが、勝負はまだこれからである。
これしきの挫折は何度も味わってきているのだ。なめんなよちくしょう。
てことで、再びターゲットを絞る。

有名店にこだわるという姿勢を貫く我々は「なかむら」という有名店をチョイスした。
ナビをセットし、クルマを走らせる。行き先は丸亀市飯山町だ。


今度こそ有名店のうどんを食ってやると心に誓う我々であった。


香川うどんの旅08夏その3に続く



著:戦車




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