自動車同士で細い山道をすれ違うのは難儀なものだ。
とある山間部の一車線道路を走っている時、対向車がやってきた。
この道幅ではすれ違う事が不可能と判断した私は、とりあえず道端に停車し周囲をうかがった。
(よし、こちらがあそこまでバックすれば問題なくすれ違う事が出来るだろう。)
後ろの状況を確認し視線を正面に戻すと、対向車がそのまま突っ込んで来ている。
何とその車、路肩にタイヤが半分はみ出した状態で平然と走って来るではないか。
(すっげぇ!何て車幅感覚だ!このオッサン、メチャクチャ上手い!)
と、思った瞬間・・・・
あ、落ちた。
何とも言えない雰囲気が漂う中、見つめ合う私とオッサン。
そのオッサン、目で必死に何かを訴えてくる。
(よせ。そんな捨てられたチワワの様な目で私を見るな・・・。)
結局、救出作業だ。
もー!!私も仕事で急いでるのにぃー!!
著:うり
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