往来解説

往来解説
 [はじまりの物語]
 [共有作品]
 [作中設定]
 [未定義]
 [作品の構造]


--- はじまりの物語 ---  :物語にできること 何無驚譚/なにうよんな  反動で若者から日本化してゆく町と人々。  plasticなし、外語なし、地元の言葉で綴られる「なにひとつ驚きのない物語」。 小さなくに  かつての藩はひとつの「小さなくに」。地元で衣食住を賄い、完結した暮らし。 ささやかな願い  日本のものを着て使い口にする、求めるものは「その選択肢」。  暮らしや世の中や政治や福祉。かすかでも良くなって行く感じがあれば、それでいい。 --- 共有作品 ---  :執筆者向け 共同執筆  「 世界共有 」型の作品。執筆参加は自由。  小説、唄、野芝居、落語。地元を舞台に地元の言葉で綴られる物語。 架空のくに「 高梁 」  執筆者が高梁在住で高梁の言葉で書かれているから「 高梁往来 」。執筆者の在所が舞台。  昭和30年頃の職種を参考に、車と電化製品以外は地元生産品。  実際今でも新築記念に手拭いを配る町。 日本人について  地元のものを口にし、国産のものを使う。  作中では6割以上日本で出来ている者を「日本人」と定義。 商業利用  執筆参加は自由。出版など商業活動は上記「日本人」に限る。  作中登場の名称使用や商品化は国内生産に限る。 --- 作中設定 ---  :架空の世界設定 反定型日本人層  典型的な日本人像の実態として、60代のみが歴史上から突出した存在と仮定される。  作中では仮想のものとして、若者とこの層の対立構造が描かれる。  若者は反動から結束し、投票と景観の保護を呼びかけ、急速に日本化しつつある。 買王様と電気の窓  地元のものを買うことで、ものと人と金が地元に回っていた世界。  TVのくにに映るものに手を伸ばし、少し立てば便乗品を安くで買える。  しかし海外産を買った分だけ、子や孫、将来の世代の福祉年金が目減りする。 擬幼児化  普通の人の繰り返しの暮らしから、何百年もかけて形作られた「日本のかたち」。  地名や祭りの平仮名化、動物可愛い柄、支那製百円雑貨など「幼いお客さま」化が完了。  ケーキに砂糖かけてプラで包んで英語で白人が上陸。  行事依存が進み、風物に対しての皮膚感覚すら疑わしい。 気抜き教育  作中では米中と政策報道によって無気力教育が施された架空の世界。  2007大量退職をもって、お花畑計画は完了。  もはや半歩下がる事にも堪えられず、上のも下のも何百年分もの資産を食いつぶし、逃げ切るおつもり。 不導機関  作中での番組や映画は、偏りが酷く大事なものほど伝えず、全て情に振る。とっしょり守りの道具。  若者は基本的に見ないので作中あまり登場しない。その一方で地元言葉による落語や野芝居が根付きつつある。 小さな政治  年寄りの投票率が高ければ年寄り向けの政策になる。それは負担を後の世代に全て先送り。  まず若者が投票に行くことで、若者の福祉や年金雇用への政策が改善される。  票を投じる人がいないのであれば、積極的に白票を投じて意志と存在を示すところから。 --- 未定義 ---  :設定の検討中 景色  欧米では町並みなどの風景は神のものであり皆の共有財産とされる。  日本はなぜかConcreteを米国の2倍から数十倍消費しているらしい。 くるま道  欧州では馬車道として200年以上前から石畳が敷かれてきた。  日本の江戸期には車輪の付いた乗り物が禁止され、明治末から自動車用に道が整備された。  戦後に石油副産物の捨て場として日本中の道にasphaltがまかれた。  なぜ家の前の道まで国の所有物なのだろう。なぜ住民によって町並みに合わせた鋪装が選べないのだろう。  観光地でない町での石畳の例や試算はどこかにないかしら。 2.5次元の民族  大和言葉が十分に発達する前に漢字が伝来し、以後の日本語は書き言葉と共に発展してゆく。  日本において「歌と絵」は「和歌と書画」であり、書き文字を愛でる慣習が育まれる。  欧米や支那では文字と言葉は道具として捉えられ、使われる。  日本人は良くも悪くも「文字」に捕われた民族とは言えないか。 唄と耳と舌  本来の地方言葉や生活言葉は音声言語。  関東式の発音での子供歌の強要が、耳と舌を破壊し英語習得を妨げていると思うのだが。

作品の構造  普通の日本  地方の役割  一流の庶民 普通の日本  江戸明治大正を経て、いつでも鎖国できる程度に自国産業が保たれる世界。  「今の日本」や「今の日本人」を「普通」とは設定されていない。 地方の役割  作中では、地元のものを口にし使い回る社会、地元の言葉で綴られる物語。  都市部の実態は編集と宣伝による羨ましがらせ、消費のための消費。 一流の庶民  執筆者の価値観により、「高梁往来」には事件も行事も有名人も珍しいものも登場しない。  地に得て、地に生き、地に還す。一流の庶民による「何ひとつ驚きのない物語」。










「高梁往来」表紙