雲のみち 町中でジャガーに追われていると、目の前にジープが止まった。 サングラスかけたたくましいサンタが、自分自身を親指でさして一言「乗れっ」。 しばらく車に乗ってジャガーから逃げ延びるがその時、車は人の家の玄関に突っ込む。 いつの間にか、それより先に自分は降りていて、あーあ、といった感じでその場を立ち去る。 ふと気付くと一面広がる雲の上、「びっしゃびしゃやん」。 足元は双六のコマの様にマス目が見渡す向こうまで。 傍らに顔のあるひまわり三つ、体を左右にくねらせながら歌っている、「シャンプーがー、いっぱーいー」。 遠くのマス目におっぱいほり出した人魚の姿。---完--- あとになる 何かに追われるように走り続けている。 走って走って、山をぐるぐる回って、いつしか頂上。 さらに走って走って、気付くと雲の上。 それでも走って走って、雲は重みでゆっくり降りてって、水の上。 カメラの視点はぐんぐん空の上、聞こえてくるナレーション、 「こうして日本になりました」。---完--- ピザまん コンビニエンスストアの店員としてレジの中。 客の注文受けて、ピザまん取り出したところ、燃え出した。 燃えて燃えて、店は丸焼けに。 店長カンカン、「弁償100万円」。 どうしていいか分からんで、泣き出した。---完---
夢なりの法則 現実と違うけど「この世界」では、ここが自分の部屋で、この人が友達と認識して、話は進む。 「ここでの法則」が存在し、色や印象など、奇妙な仲間括りがここにはある。 昔話のような突拍子のなさ、考えて作った話の遠く及ばない世界のお話。