「国家と経済の仕組み」

■ 専門家達の誤解
国の形や経済の流れは、あまりにも複雑になりすぎて、一般大衆のみならずその専門家達ですら正確につかみきれず、また、間違って認識している面も有るようだ。
そこで、その経済の流れを陰陽に分けて単純化し図に表してみた。
上の図は、山とその上に浮かんでいる雲で国の形を表現したものです。
細かな所に違いが有っても何処の国でもこの様な形で成り立っているのではないだろうか。
この様な山(島)が連なって世界を造っている。

この様に経済の流れは図で見ると本当は単純です。
経済の流れは、「仕事」(陰・左目)と「お金」(陽・右目)の流れです。
フラクタルの森の陰陽の十字架、4象限で見ると、
仕事→商品(サービス)→代金→給与という流れが無限大マークのように循環している。
その流れが生活を支え、生活に潤いを与え、その国家を成り立たせている。
景気を良くする為には、この流れの質と量と、そのスピードをアップすれば良いだけの話である。
この単純な事がなかなか出来ないのは、政府も経済の専門家達も、片目で見がちなせいだろう。
片目とは、言い換えるならば、目に見えにくいモノを見ようとしないとも言える。
陰陽の「陰」の部分を見ようとしないのだ。

その目に見えにくいモノは、3つ有る。
時間的要素・・・・結果と原因の関係(原因と結果)重なって見えにくいモノ
空間的要素・・・・自己を支える他者(自己と他者)離れていて見えにくいモノ
人間的要素・・・・理屈と感情(理と情)混ざっていて見えにくいモノ

要するに、結果主義に陥りやすく、自分の正しさにこだわり、理屈で考えすぎたり、
感情に支配されたりしがちなせいです。
色即是空 空即是色ではないけれど、常に二つの視点、両目で見ようと努力していれば、
あたかも3Dでもないけれど、両目で見るが如く立体的に見えてくるのです。
弓などで的を狙うにしても、片目だけで見ていたらなかなか的に当たりません。
経済の専門家も政府も、片目になりがちなために的を外しているようです。

もうひとつの誤解は、多くの人々が陥っている認識ですが、嫉妬心を背景にした見方です。
マルクスの共産党宣言での間違いをいまだに引きずっています。
階級が有って搾取があり、階級闘争をしなければ富の分配が正しく行われないのではない。
経営者も資本家も労働者も、階級として有るのではなくて役目として分担しているだけなのです。
全てが国民であり、使命として役割分担しているだけのこと。
図を見ても分かるように上位のものを引きずり降ろし、格差をなくし平等にするとこの経済の流れは停滞する事になる。
この山の高さは低くなり、経済は小さくなり、国家が小さくなるのです。

■ 景気回復 

 では、どうすれば景気を良くして国民が豊になり、多くの人たちが幸福を享受出来るようになるかというと、この血液の流れを良くすれば良い。
その為にしなければならない事と、してはいけない事を人時所において考えなければなりません。
景気に力がなく「お金」が回りにくくなっているからといって、単純に国民にお金をばらまいて消費を無理に増やそうとしてもなかなか国内の「仕事」を増やす事にはなりません。貯蓄に回されたり、消費に向けられたとしても多くは国外の安い商品へ流れます。そして、何もしなくてお金をもらえるなら、ガンバって仕事をするより国家に頼る人が増えてきます。
国民ががんばって仕事をしなくなれば、当然、所得税も法人税も減る事になる。
福祉目的などと言ってさらに消費税をアップして経済の流れから血液を吸い上げるならさらに景気は悪くなる。そして、福祉の為の資金も無くなっていく事になる。
 市場に仕事を産み出す元気が無いのなら、政府が赤字を造ってでも仕事を創り出さなければならないでしょう。もちろん、国力をつけるような所へのに投資です。
その公共事業が、波及してまた他の仕事を産み出してくれるような所へです。
国家(政府)の借金は増えるが資産も増えます。貸借対照表のように両目で見る必要がある。
その資産を使い更なる産業の育成が出来れば、そこから税収も上がり、やがて赤字の埋め合わせも出来るようになります。仕事が市場にあふれれば消費は勝手に増える。税収もやがて増える事になる。

逆説的に言うならば、景気を悪くし国民を貧乏にしたければ、この「仕事」と
「お金」の流れにブレーキをかければ良い。
大企業や富裕層から税金をたっぷり吸い上げ財源とし、国民を甘やかせば良い。
ゆとり教育や所得保障、勉強も仕事も無理してそんなにがんばらなくていいです。
消費税なども上げるけど国民の面倒は国家が最後まで見てあげるからとやれば、巧妙にブレーキをかけれます。そのために政府組織も大きくなり、税金を消耗する所が大きくなり更なる増税が必要となって、さらに景気の流れを悪くして行く。
税金は、関税とかタバコ税でも分かるようにブレーキの役目であり、景気の流れから血液を抜き取る作業です。ですから、出来る限り政府は小さく、民間レベルで自由に闊達に全身に血液が行き渡るように工夫すべきです。血液や体液が停滞し滞っているならば、それらが再循環しやすいように工夫もすべきでしょう。民間に滞留している資金をこの経済の流れに貫流させる為に、贈与税や相続税などのように年輩の人から資金需要の大きい若年層への流れを阻害するものを取り去る必要も有るでしょう。

■ 富国、強兵、学問のすすめ

この国を守り、素晴らしくして、世界に貢献出来る国家になる為には、明治時代の「富国」「強兵」「学問のすすめ」は、現代でも必要な考え方です。
現代社会は、あまりにも優しさや権利を重視するあまり、片目(左目)での弊害が出ています。
両目で見なければ、「地獄への道は、優しさで舗装されている」という言葉が有るように、多くの人々の幸福を奪ってしまう事になりかねません。
 国益を考え、経済を進化発展させる為にも教育は不可欠です。
「ゆとり教育」のおかげでどれだけ国力を落とした事でしょう。
その結果、就職氷河期と言われるように戦力の劣った人たちを作ってきて、国際競争力を減らしたのかもしれません。
 学力の向上は、より良き仕事を支え、国際競争力を強くし、国家の力を強くしていきます。
日本周辺には一時代前の帝国主義的覇権主義を取っている国家や独裁体制を維持しその体制維持の為に軍事力を増強し拡張路線をとる国家が有ります。執拗な反日教育をして国内の不満を解消しようとする国家が有る以上、国防の備えを怠るならば隣国の暴走を阻止する事は出来ません。

今、政府がやろうとしている事は、片目であるが故に、日本の存在自体を危ういものにしようとしています。左翼的思想に引っ張られ、優しさ故に国民の生活を重視しようとしていますが、その生活を支えているのは、仕事です。国内の仕事を増やす事をしなければ生活は潤ってきません。
両目で見ていただきたい。
 大自然の摂理でも、雨の多くは山間部に降ります。
その上流域に降るべき雨を取り上げて下流域にばかり流すと飢饉が起きます。
単なる雨不足で済んだものを大変な飢饉にしてしまいかねません。
下流に流された雨は、国内の仕事を増やす為に循環せず、中国などの安い労働力から産み出される商品に流れてしまいます。その増えた仕事が産み出す資金は、中国国内の貧困層の改善よりも軍事力増強に向けられています。その国内の不満は、反日デモなどに向けさせているようですが、もし、中国の経済が行き詰まった時に中国共産党がとるであろう政策は、尖閣諸島の事件で分かるように明らかです。今、お金をふんだんにつぎ込んでいる軍事力と、その国内の不満のエネルギーを、反日教育の成果とドッキングさせ、簡単な日中間の問題を言いがかりにして戦争を仕掛けてくるでしょう。
その時、北朝鮮とは軍事同盟が結ばれているようですので、朝鮮半島でも戦争が起きるでしょう。北朝鮮側が韓国を飲み込む形で統一されると、今度は、日本本土も危機にさらされてしまいます。
「風が吹いたら桶屋がもうかる」という落語話が有りますが、左翼政権の優しさは経済と国防の両方で大きな危機を日本にもたらしています。時間空間的にちょっと深く考えただけで分かる未来予測です。

形や当事者は違っても、先の大戦前と同じような危機が訪れていると言っても過言では無い。しかし、今度は、日本には平和ボケした人たちがたくさんいます。日本には、未来が無いかもしれません。
この危機を乗り切る為には、まさしく、明治維新と同じ変革が必要でしょう。
国防の為の軍需産業に力を入れる事も、国力を強くする事にもなり、国内に多くの仕事を産み出す事になります。憲法も改正し、自分で自分の国を守れる形にしていかなければ、いつまでもアメリカ頼みであって良いわけはないでしょう。

国を強くする為には、血液の流れを良くしなければなりません。
経済を強くする為には仕事を増やす工夫(陰)とお金の流れを良くする工夫(陽)が必要です。
もし、これらの努力を世界中が怠り、単なる自己保身に走るならば、大自然は、天は、その因果の摂理の中で最大の仕事とお金を使わせようと強制して働くようです。
その仕事とは何かというと、それは「戦争」。
そうなる危険性は、今、大きくなりつつある。
今、時代は、新たな戦争の舞台が整いつつあるようにも見えます。


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